【お客様事例】Platform Door for Boxでパートナー企業へのドキュメント共有を実現:株式会社ニコン 様

▼株式会社ニコン 様 企業プロフィール
1917 年設立。光利用と精密をコア技術にもつ精密機器メーカー。カメラをはじめ、半導体露光装置、FPD 露光装置、顕微鏡、コンポーネント、金属3D プリンターなど幅広い分野で事業を展開している。
私たちは、ニコングループの映像事業を中心に業務効率化をテーマとしてIT活用やDX推進の企画やプロジェクト推進を担っています。その中に、国内外のパートナー企業に対してドキュメントを共有するシステムがあり、欧州のユーザーがファイルを閲覧する際の通信スピードが遅いという課題が上がっていました。
速度の出ない原因は、システムのある日本と欧州との距離の物理的な遠さに起因します。このシステムは10年ほど前にスクラッチ開発して構築し更新を続けてきましたが、業務のプロセスなどが変わってきたこともあり、UIの使いづらさに関しても不満が蓄積されている状態でした。
また、社外のユーザーがアクセスするドキュメントなどはセキュリティの観点でID管理だけでなく、ドキュメントの電子透かしが必要です。その過程で使用してきた電子透かしのアプリケーションがサポート終了になることも分かっていました。まだ時間の余裕はありましたが、電子透かし機能のアプリ更新も含め、システムの改修もしくは、入れ替えを検討していました。
選択肢は3つありました。1つは既存システムを更新して対応していく方法、2つ目は新しいシステムを一から構築する方法、3つ目は近年のクラウドファーストの時流を踏まえて既存サービスの中から業務内容に合うものを探す方法です。
1と2はスクラッチ開発で、現場業務のかゆいところに手が届くメリットがあります。しかし、この2つの案は可能であれば避けたいと考えていました。その理由は、コストと時間の負担が大きく、スピードが遅いという根本的な課題の解決が難しいためです。その点では3つ目の案であるクラウドサービスが良いのですが、世の中にはドキュメント管理のソリューションがたくさんあります。それらを比較検討していく中で、使い勝手やサポート面を含めて良さそうだと感じたのがBoxでした。
Boxを基盤として利用すれば、大きなシステム開発を実施することなく、スピードの問題を解決できます。ところが、Box標準のままでは社外のユーザーを管理対象ユーザーとして設定することができず、ユーザーやアクセス権管理のリスクや手間があることが分かりました。システムアカウントとして利用することができるBox Platformであればその点はクリアできますが、UIが無いことが課題となります。UIを自社開発するしかないと一時は諦めましたが、それを解決したのがMISOLのPlatform Door for Boxです。私たちが求めている機能も実現でき、機能とコストのバランスも良いと感じました。クラウドサービスでは少ない電子透かしの機能に対応していることもBoxを良いと感じた理由の1つです。
Box導入を決めた当初は、複数の代理店から見積もりをとりました。自社でUIなどを開発する方法も考え、何社かベンダーにも声がけをしました。
その中でMISOLに依頼したいと思った理由の1つは、相談しやすかった点です。Boxライセンスの費用感は各社とも大きく差異がないと感じました。一方で、大事だと思ったのはBoxに関する知識と経験の量です。「Box Maniacs」を掲げているMISOLは、担当者がBoxの活用方法に精通しており、その経験を踏まえた提案をしてくれました。
クラウドサービスの機能は標準化されているため、できる限り標準機能を使うように管理部門と交渉しました。一方で、業務を進めていく上では標準機能だけでは足りない部分もあります。その詳細をMISOLに伝え、解決策を考えてもらいました。
例えば、ファイル内検索です。既存の仕様では、特定の権限の際、電子透かしを入れるとドキュメント内検索ができませんでしたが、MISOL担当者からアイデアをもらい解決することができました。その過程では、Box本社に問い合わせたり、Box PlatformのエレメントやBoxの機能を組み合わせて解決策を生み出すなど、私たちの課題に親身になって寄り添いながら解決策を導いてもらえました。
このような背景からMISOLへの依頼が決まり、2024年4月にBOX導入プロジェクトのキックオフを行いました。その後の展開支援もスピード感があり、7月半ばには環境が整いました。その後、内部テストやユーザーテストを行い、前述した検索機能などの追加対応をして、10月には実稼働できる状態が整いました。システムのスクラッチ開発ではこれほどスピーディには進まなかったでしょう。
導入当初の現場の反応は、既存システムとの使い勝手の違いに慣れてもらう必要がありましたが、その抵抗感を上回る成果を実感してもらえました。例えば、以前は重いファイルのダウンロードに数分かかっていたものが10秒前後に大幅に短縮できました。画面表示のタイムラグもなくなり、拠点からはストレスが軽減されたという声をもらっています。これら成果を踏まえて、他の地域へも展開を検討してはどうかという話も受けています。
今後はユーザー数が増え、現場から「こういう風に使いたい」「この点を改善してほしい」といったリクエストが出てくると思っています。そのような声を吸い上げながらさらなるカスタマイズを行っていきます。また、その内容を踏まえ、他の地域での導入トライアルを進めていく予定です。
MISOLは、Box導入の実績が多く、Boxを使い倒すための知見・解決策も豊富です。新機能や他社事例を踏まえた実用的な使い方のアイデアを組み込んだ、さらなるBoxの活用方法を提案してほしいと期待しています。